今回は、屋久島で無農薬有機野菜農家をしておられる山田さんを紹介したいと思います。
実は、ホテルがまだオープンしていなかった今年始め1月頃から野菜を計画的に栽培できないか、山田さんにはいろいろと相談させてもらいました。
山田さんは、約10年前に屋久島に移住。
それ以前は、東京で新しい野菜の商品開発を担当。
レストランや料理人と農家をつなぎ、野菜の開発、販売をしておられたそうです。
そんな山田さん、とにかく珍しい変わった野菜を作る事に喜びを感じており、野菜作りのスペシャリストおやじ、普通の野菜は作りたがりません。
そこがまた粋でもあります。
ただ、まだ屋久島の気候と土壌には悩まされる事が多く、苗が全滅する事もしばしば。
10年の経験も悠久の大自然の前では、まだひよっこということなのでしょうか。
畑は安房に麦生計2か所。
写真は、収穫の始まった夏野菜の代表「ズッキーニ」
花芽もサラダや付け合せに使え、楽しみ。
珍しい「紫バジル」は、初めて使う香草です。
ワインヴィネガーと合わせて紫色のドレッシングも面白いかも。
「空芯菜」 こちらは軽く炒めても美味しいけど、なんとサラダで食べられる新品種との事。
黄色い花は「ルッコラソバージュ(写真上)」
ルッコラの花って珍しい。見た事無い、ちょっとつまんで食べてみるとピリッと辛く胡麻の香り。
さっそくサラダの飾りに。
「紫オクラ(写真下)」は、6月末から7月には収穫最盛期を迎えます。こちらも楽しみ。
山田さには、日頃からいろいろと無理なお願いをしてしまっています。
しかし、それに応えてくださる姿に、強烈なプロ意識を感じずにはいられません。
私もプロの料理人として、山田さんの野菜に対する情熱に応えなくてはと燃えてきます。
山田さん、いつもありがとう!
そう思いながら味わう屋久島珍野菜は、また特別な味わいです。
きっと今頃山田さんは、次の新しい野菜栽培に奮闘中!?
屋久島に住んでいると自然の恵みを、いたるところに感じることができます。
今日は、地元の方から「おもしろいものが獲れるかも」と聞いて、網を片手にとある干潟へ。
そこでは、地元のおじさん達がなにやら漁をしている様子。
聞くと「きびなご」漁なんだとか。
こんなありふれた干潟で「きびなご」が獲れるとは、屋久島の自然の恵みはやっぱりスゴイと実感。
「きびなご」は、ニシン科の体調8cmほどの小さい魚で、5~6月頃、産卵のため大群をなして岸に押し寄せて来きます。
つまりこの時期の「きびなご」は、まさに一網打尽で漁ができるというワケ。しかも脂が乗って美味しく、まるごと食べられるので栄養も満点。
ちなみに鹿児島県南部では「帯」のことを「キビ」ということから、体側中央部の青白色の帯を「キビ」として、「帯(キビ)の小魚(ナゴ)」と呼んでいるそうです。
早速、おじさん達にならって潮溜まりの中へ足を進めると、無数の「きびなご」が群れをなして浅瀬に入り込んでいました。
翻すきびなごの鱗と海面に反射した光がキラキラと輝いて眩しいほどの光景が。
すかさず網で「きびなご」をすくえば大漁・・・・とまではいかず、これがなかなか難しい。
割と素早い「きびなご」の動きに加え、持参した網の目が大き過ぎて、すくった「きびなご」を放流してしまうというトラブルも・・・。
しかし、それもご愛敬。
網を代えて再チェレンジし、なんとか目標数の「きびなご」を持ち帰ることができました。
「きびなご」は鮮度が命なので、水揚げされる漁港から遠い場所での調理にはあまり適しません。
生でも食べられるほど新鮮な獲れたての「きびなご」は、この時期に是非。
『sankara hotel&spa 屋久島』では、新鮮な「きびなご」をシンプルなフリットにし、つわぶきとよもぎのソースをお好みでどうぞ。
幻の百花蜂蜜がついに入荷しました!
極少生産のため、情報を公開することで生産者の方にご迷惑をお掛けするのではないかと悩んでいたのですが、あまりにもその味が衝撃的だったのでブログでも紹介させてもらうことにしました。
当然ながら、当ホテルでもわずかしかお分けできないのが私としてもツライのですが・・・。
屋久島にはこだわりを持った方が非常に多く住んでおられます。
その中のひとり、ドイツ人の養蜂家、レミーカミンスキーさんは、屋久島に移り住んで25年。
蜂蜜への情熱は半端ではありません。
そんなレミーさんが太鼓判を押すのが、屋久島産「百花蜂蜜」。
屋久島の野山のいろいろな花から取れるこの「百花蜂蜜」の収穫は、4月、5月のわずか2ヶ月間のみ。
しかも今年は雨が多く、例年にも増してあまり取れなかった希少な蜂蜜です。
非常に香り豊かで濃厚な屋久島の花が詰まっています。
取れたてのハチミツをひと口舐めると口の中いっぱいに大自然の花畑が広がっていくようです。
屋久島の味を屋久島で味わう醍醐味。あぁ、これぞ至福のひととき。
あまりにも数が少ないので、料理にどう取り入れるか悩んでしまいます。
幻の屋久島産「百花蜂蜜」は、『sankara hotel&spa 屋久島』のショップで限定販売。
ホテルにお越しの方だけにこっそりお分けします。
ちなみにレミーさん 6月から9月はアカシヤ・シナ・蕎麦の蜂蜜取りに北海道に出かけてしまいますので、シーズン中は、お会いできるのも希少かも。
屋久島でパッションフルーツ農家を営んでおられる中原さんから嬉しいお知らせが届きました。
待ちに待った中原さんのパッションフルーツが初入荷です。
4月、5月の受粉作業を経てようやく収穫の時期がやってきました。
実は、このパッションフルーツ(時計草)、受粉作業がかなり大変なんです。
時計草は、1日5~6時間しか花を咲かせないため、花の咲いている間に受粉作業を終わらせないと花がしぼんでしまい、ジュースのたっぷりと詰まった完熟した実になりません。
午前11から午後4時までの間に多い時には1日に1000個もの花が咲き、これを中原さんは一つ一つ丹念に筆を使ってひとりで受粉作業をしておられるのです。
まさに時間との戦い。大変な重労働です。
今年は、少しでもお役に立てればと思い、助っ人としてサンカラスタッフも受粉作業をお手伝いさせていただきました。
それだけに初物収穫のお知らせは、サンカラスタッフにとってもすごく嬉しい出来事でした。
中原さんのパッションフルーツは完全無農薬栽培なので、手間暇かかる分、色つやもよく、味もまた抜群なんです。
ところで「パッションフルーツの落下」といってもピンとこない方も多いのではないでしょうか。パッションフルーツは、受粉後約45日でたわわに実った果実が完熟するとひとりでに落下します。つまり果実の落下が収穫の合図というワケ。
中原さんの畑では、連日夕方になるとポトリポトリと嬉しい収穫の足音が聞こえてくるそうです。
ちなみに鹿児島県は全国のパッションフルーツの約60%近くを生産しており、屋久島もその代表格。 島のパッションフルーツは酸味が強いですが、香りは抜群!これからますます糖度も上がってきます。
ホテルでは早速ウェルカムドリンクでシャンパンと合わせてお出ししています。
中原さんのホームページも是非ご覧ください。
http://www.geocities.jp/yakushimapassiongarden_nakahara/index.html