新しい一年がはじまり、正月7日に行われる「鬼火焚き」や「十日恵比寿」、集落の無事を太陽と月に祈る「二十三夜祭」など、自然と共に暮らしてきた島独自の伝統行事を体験することができます。北海道から亜熱帯まで、日本列島の気候が同じ島の中にあるという屋久島の冬。標高高い山頂付近には雪が積もっているのに、海岸沿いにはポインセチアやブーゲンビリアなどの美しい花が咲いています。
しだいに寒さもゆるみ、タンカンやレモンなどの収穫も始まり島には少しずつ春が近づいています。山頂付近ではまだ積雪があり、十分な装備がないと山に入ることはできません。しかし里では、世界遺産・屋久島を自転車で一周するサイクリング大会や、ガジュマルなどの亜熱帯植物やウミガメの産卵する浜を巡るトレイルランなど、屋久島ならではのイベントが開催されます。
この頃降る春の長雨は「木の芽流し」と呼ばれます。暖かい雨が里をとりまく照葉樹林を存分に潤すと、日に日に緑の濃淡が芽吹きの色に変わっていきます。そして桜やツツジが次々に花開くと、いよいよ本格的な春の訪れ。登山や水遊びのシーズンを前に安全祈願の神事「森開き・水開き」が行われます。
森が新緑に萌え上がる春の屋久島
待ちに待った一年で最も美しい季節の到来です。
照葉樹の新芽が芽吹き、緑がグラデーションとなり島を覆いつくします。
しっとりと春の雨に濡れた森、陽光にきらきら輝く川沿いの景色。
春から初夏の屋久島はいつにも増して自然の輝きに溢れ、エネルギーに満ちています。
春の風を感じながら森を眺めるドライブや新緑あふれる安房川のカヤックがオススメです。
若葉がすっかり出そろい、生命が躍動する季節。山でも里でも色とりどりの花が鮮やかに咲き誇ります。ウミガメの産卵シーズンを前に港や海岸を清掃する「屋久島海祭り」では、カヌー体験やダイビング体験、シュノーケリング、バナナボートなどがいち早く楽しめます。
暑い陽射しとともに山の緑も深まり、なんといっても見事なのが山の斜面に群生するしゃくなげの絨毯。「屋久島しゃくなげ登山」は、はじめて登山をされる方やお一人の方でも安心して参加できるおすすめのイベントです。そして夜には、落ちてきそうな星空のもと飛び交う源氏蛍もこの時期の楽しみです。
毎年5月から7月頃、永田川の東側にあるいなか浜と西側の前浜にはウミガメがやってきます。アオウミガメは1シーズンに数頭ですが、アカウミガメは屋久島が日本一の上陸産卵地。ウミガメは1回に100〜140個産卵し、60日前後で無事孵化すると子ガメは苦労して海に帰り、大きくなると産卵のために再び屋久島に戻ってきます。そんな循環する生命の神秘を、じっくりと観察してみませんか。
梅雨が開けると本格的な夏の到来。海水浴場の安全祈願の神事を終えると、遠泳イベント「オープンウォータースイミング」が開催されます。また、夕涼みをしながら空を見上げるとそこには満天の星空。屋久島の空は空気が澄み、天の川がくっきり銀色に輝いて見えます。台風の到来を前に、早期米の収穫も始まります。
太陽はかんかんと照りつけ、登山や観光に多くの人が訪れる島がもっとも賑わうシーズンです。夏の屋久島はお祭りがいっぱい。山の神に感謝する「ご神山祭り」、安房などの集落で行われる夏祭りでは出店やステージイベント、打ち上げ花火などで盛り上がります。
旧暦の8月15日、名月に豊漁豊作と家内安全を祈る「十五夜綱引き」が行われます。綱をゆっくり引きながら十五夜歌や綱引き歌を繰り返し歌い、最後は一本勝負。綱は強い竜、または水神の姿をあらわすといわれています。日中はまだ蝉が賑やかですが、ススキの穂が出始めると、夜には秋の虫の大合唱が聞こえてきます。
少しずつ秋めいてきてはいるのものの、平年の最高気温が25℃と温暖で、海や川のアクティビティはまだまだ楽しめます。その中でもおすすめはリバーカヤック。初心者の方も楽しめて、屋久島の透き通った水の美しさを存分にご体感いただけます。
朝夕の空気はひんやりとして心地よく、秋の野山を散策するには絶好の時期。ヒヨドリなどの渡り鳥の声も聞こえてきます。標高2000m近い山頂部では、11月中旬には初冠雪がみられます。特産品の安納芋も、そろそろサンカラのメニューに登場し始めます。
いよいよ島にも冬が訪れ、メジロやヒヨドリなどの冬鳥も数多く姿を見せます。島の特産品・ポンカンの収穫が始まり農家は大忙しですが、年末年始の準備も着々と進んでいきます。12月31日には、益救神社で大迫力の年越し太鼓「益救神太鼓」が炎とともに奉納され、ゆく年への感謝ときたる年への祈りが捧げられます。
〒891-4402 鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生字萩野上553アクセス